夕立の予報が外れて
西の空の茜色の雲がきれいな夕方でした。
時刻は6時半。
確実に日も短くなり始め、
京都にも、秋の気配がただよってきました。
今日は京町家のお話。
藤田家住宅にも、
京町家に典型的な「通り庭」というものがあります。
ご存知のように
殆どの京町家は間口が狭く奥が深い、
いわゆる「うなぎの寝床」と言われる造りですが、
その「通り庭」は台所でした。
台所にはなくてはならないのが
お米を炊くための「かまど」。
京都では「おくどさん」と言います。
「おくどさん」の語源は諸説ありますが、
「お」と「さん」は京都弁の特徴で、
芋は「おいもさん」
豆も「おまめさん」
大根は「おだい」または「おだいこん」等々・・。
「くど」は「火処」(ほど)が訛ったものだとか、
食事の神様とされる「久度の神」からきたという説もあります。
京都弁の話をするとキリがありませんから、
また折々にお話しすることにして、
通り庭の台所の話に戻りましょう。
藤田家住宅のおくどさんは
今は残念ながらありませんが、
その面影が残っています。
冷蔵庫とお釜。
この冷蔵庫は上の段に氷の塊を入れて使います。
多分、今でも使えると思います。
ごはんを炊く「お釜」はたくさん残っています。
家族だけでなく、
職人さんたちも、ここで作った食事をしたのでしょうね。
食事に井戸水を使ったわけではないと思いますが、
昔は井戸もありました。
スイカを冷やしたりとか・・・・
その名残があります。
今は、もうそこでの生活もなく、
台所としての機能はありませんが、
その通り庭には、
生活に使ったもの、
織り屋の道具などを置いています。
これは手回しミシン。
おそらく外国製で、今でも使えます。
いろいろな昔の道具を手にとってみて、
今の私たちの生活に至るまでの時間、歴史、
そして確かに生きていた人々とのご縁を
感じていただきたいと思っております。
ただ、通り庭の床は「三和土」(たたき)ですし、
吹抜きで、暖房も入りませんから、
冬はとっても寒い(冷たい)です。
それを体験していただくのもいいかもしれませんね。
柱本めぐみ